地域の力誰でも気軽にできる福祉活動を拡げていこう!

桜が丘1丁目福祉会「ひまわり」(小地域福祉委員会)(精華町)

活動開催日
平成28年
活動者数
計137人
利用者数
地域住民全員(500世帯 1500人)
活動内容
サークル、サロン、見守り活動等

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小地域福祉活動の拠点「ひまわり」発足のきっかけ

「それぞれの組織を一本化して、活動を拡げたのが小地域福祉委員会の設立のきっかけよ」と教えてくれたのは、現在、桜が丘1丁目福祉会小地域福祉委員会(別名:ひまわり)の代表である西田さんでした。

きっかけは精華町社協からの声かけです。以前から地域では見守りやサロン活動を実施していましたが、精華町社協から「小地域福祉委員会活動をしませんか?」という打診があったことです。その時、「以前から取り組んでいる活動をより活発に展開していくには予算も必要」と考え、平成28年度には小地域福祉活動の起点として「ひまわり」を発足されました。

現在、さくらっこ(未就園児サークル)、子ども会パワフルキッズ(小学生対象スクール)、ふれあいサロン“わの会”(高齢者サロン)桜が丘見守り隊(①地域見守り隊②子ども見守り隊③高齢者見守り隊)の取組を展開し「幼児から高齢者まで」幅広い世代が交流を図りながら担い手と受け手の垣根がない、地域づくりに取り組んでおられます。

見守り活動からスタート!

「最初は防犯を中心に活動をスタートさせた」と語り出してくれた八木会長。木津警察署が空き巣等の被害が発生することから、「地域の防犯活動を一緒にやりませんか」と声をかけられたのが活動の始まりです。

警察が地域11カ所に見守り箱を設置し、地域をパトロールした際に見守り箱に入っているチェックシートに訪問時間を記載します。警察官が一定の時間になると地域巡回を行うので泥棒も寄り付かないのではないかと考え活動をスタートさせました。

現在では、防犯だけでなく、地域の見守りやつながりづくりを中心に、桜が丘見守り隊(地域見守り隊、高齢者見守り隊、子ども見守り隊)を組織し、地域の安全、安心を守る役割を担っています。

また、各見守り隊の隊長は随時、お互いに把握している情報を共有するとともに、3人の隊長の意見をもとに「見守りニュース」を1年に3回発行し、地域の出来事や取組、イベントの案内等を行っておられます。

取材日がちょうど、3人の隊長が情報を共有する日でありました。お互いに掴んでいる情報をもとに活発な意見交換が展開されていました。隊長の1人である地区福祉推進委員の田中さんは、「地域のことを沢山学んでいきたい。まだまだやれることがたくさんあるのではないか.。」と発言されていたのがとても印象的でした。

このような姿勢が住民と信頼関係を構築し、各隊長に様々な情報があがってくる。多様かつ情報量の多さが信頼関係の証であることを証明しているように取材をして感じました。

「ひまわり」設立後、広がる顔見知りの関係

ひまわりの取組の中で心の温まるエピソードを2つ御紹介します。

1つ目は「想い出話の会」の取組みです。概ね60歳以上の方を対象にサロン「想い出話の会」を実施されています。高齢の方は昔のことをよく覚えておられるので、想い出を振り返ることで、「あったよね。覚えている」と盛り上がり親睦が深まるそうです。

民生児童委員の竹中さんは、いつもはサロンに来られない方に個別に案内したところ、1人の方が会場に来られました。よくよくお話を聞くと、この地域に引っ越しをしてきたばかりで地域の方と顔見知りになりたいと思い参加したと仰っておられました。

その後、他のイベントでその方と顔を合せた時に、「想い出話の会に参加して、そこで顔見知りになったおかげで、地域に入りやすくなったよ」と言ってもらえたのがとても嬉しかったと、笑顔を浮かべながら語られていたのが印象的でした。

2つ目は秋の風物詩であるハロウィンパーティーの話です。これまでは「子ども会」に限定して参加者を募っていました。ひまわり設立後、未就園児や高齢の方も参加案内をしたところ、様々な世代から参加がありました。未就学園児は会場を走り回り、親御さんは笑顔で優しく見守っておられる。高齢者は子どもたちにお菓子を配って孫と接するみたいに楽しそうだ。子どもたちは様々な世代と交流を図ることで刺激を受けている様子。子どもと高齢者は顔見知りとなり、登下校時に声をかけあうなど、顔見知りの関係がより地域を豊かにすることにつながっていったエピソードでした。

「またね」でつながる地域の絆

取材当日、高齢者見守り隊の訪問活動に同行しました。集会所から少し歩き、90歳を迎える小西さん宅へ。見守り隊員は「お変わりないですか?」と声かけ、最近の様子や健康状態、不安に思うことなどを聞き出していかれます。

小西さんはビシッと姿勢を正し、「今日も散歩をしたよ。万歩計を確認したら6,000歩だった」と元気な声が閑静な住宅街に響きわたりました。

小西さんは「ボランティアさんが来てくれるので安心する。見守りする方も大変だ」と見守り隊員を労い、お互いに笑顔を浮かべながら「またね」と声をかけて別れました。

この「またね」という言葉が合言葉。

今日も、明日も、明後日も、「またね」が地域の顔見知りを拡げ、地域の絆を深めていきます。

あなたにとってのこの活動とは、そして今後の取組み目標は?

八木会長は、今までの活動記録を束ねた資料を横に置き、口調穏やかに語られました。「後期高齢者で見守られる立場ながら見守り活動をしているが、見守り隊員の半分以上は70歳以上の方。時には自分より若い方を見守ることもある。今は元気だから見守りする側にいるが、いつ見守られる側になるかわからない。だからお互い様だ。今やれることを一生懸命やりたいと思う。ボランティア活動は人生そのものだ」と語ってくださりました。

今後の取組目標について、西田代表より心の中で温めている企画を発表頂きました。「温めているのは秋の手作り文化祭。自分の得意なこと、好きな事を集会所で発表できる場を作り、自然な形で地域の方が集う場をこれからも作っていけたらいいな」と希望を熱く語っていただきました。

「ひまわりの名前が全てを物語る」

取材の最後に「ひまわり」の名前の由来を八木会長に尋ねると「明るくまあるい黄色のお花「ひまわり」を小地域福祉委員会のシンボルとしていたので「ひまわり」という名称を付けたよと。ヒマワリの花言葉は「あなたを幸福にする」

花言葉のとおり、「あなたを幸福にする」という活動者の溢れる思いが、活動者自身をも幸福に導き、地域の幸せにつながっているのだと強く感じ取材を後にしました。

活動者からのメッセージ

地域全員が顔見知りになり安心して暮らせる場所にしていきたい。様々な世代の方々とつながり、地域であたたかい輪を広げていきたい。是非みなさんも気軽にご参加ください。

社協のひとこと

同じ地域に住む者が無理のない範囲で「支え・助け合う」つながりづくりが進められています。定期的な会議等を開催しており、情報共有や隣近所の困り事をキャッチする機能が出来ているのが「ひまわり」の魅力のひとつです。社協としても今後も、このような取組みが精華町内で広まるよう支援していきます。