〜地域で朝ごはんを広げよう〜
毎月第一土曜日の早朝に、谷田自治会館から美味しそうな匂いが漂います。「なんだろう?」とのぞいてみると、老若男女の地域の皆さんが笑顔で朝ごはんを食べています。今回は、長岡京市谷田地区の朝ごはんを広げる「谷田DE朝カフェ」を取材させていただきました。
「谷田の子どもに朝ごはんを!」、それが発起人である山本さんが初めて子ども食堂を見た時に思ったことだそうです。活動日を土曜日にしたのも学校がなく、子どもが参加できるから。子ども会のお母さん方に協力いただき、9:00~11:00の時間に「谷田DE朝カフェ」をオープンしました。活動していく中で、「お母さん方の忙しさ」「9:00~11:00は遅いのではないか?」と、改善点が見え始めました。そこで老人会の方々に手伝ってもらいました。その後、「対象を子どもにしぼるのをやめよう!」と対象を広げ、実施時間も8:00~10:00に早めました。そうすると、「今度は大盛況となり過ぎた…」と、多くの住民がやってきた時期があり、限定30食とした今の形へと変わっていきました。
〜谷田地区で繋がる絆〜
谷田DE朝カフェの活動には、頼もしい協力者たちがいます。毎月の開催チラシの作成をお手伝いしているのは長岡京市社会福祉協議会(以下、社協)です。谷田DE朝カフェの実行委員で次月のメニューを決め、試作。出来上がった料理の写真を社協へ送り、開催チラシを作成します。作成した開催チラシは、谷田地区の回覧板等で案内され、朝カフェを楽しみにしている人たちの目に入ります。
また、朝カフェに使う食材の一部を「フードバンク長岡京」、社協の取り組みのひとつである「てるてる農園」、谷田DE朝カフェの活動に共感して下さった方々からいただいているとの事。多くの方々の地域への想いに、地域のあたたかな繋がりを感じました。
〜つながる「場」、地域の居場所〜
2階から楽しそうな笑い声が聞こえてきたと思っていると、食事を終えた人たちが2階に上がっていきます。ついて行ってみると、2階では「谷田文化祭り 作品展示会」が行われていました。「食べて帰るだけにならないように工夫しています」と話していただいたのは会長の吉岡さん。取材した日は自治会とのコラボによる「谷田文化祭り 作品展示会」が開催中でしたが、輪投げなどのゲームを企画し、「出会いの場」をつくっています。当初は、気をつかって食べたらすぐに帰る人も多かったそうですが、「それでは意味がない!地域の人が交流できる場になってほしい!」と自治会内のさまざまなサークルとコラボしながら、多様な企画を展開するようになったそうです。
〜メニューからあふれる「楽しい」気持ち〜
朝カフェが終わり、一息つくかと思いきや、実行委員の皆さんはすぐに次月のメニューの検討に入ります。用意できる食材を社協職員に確認しながら議論を重ねます。「季節感を大切にしようと考えています」と吉岡さん。3月はひな祭り、12月はクリスマスなど、それぞれの月の行事に合わせたメニューを模索し、季節の「楽しい」を食事から感じられるよう工夫しています。また、メニューの色合いも考えています。「緑色が多いなぁ、赤もいれたいなぁ」と、試行錯誤を繰り返し、食べておいしい、見て楽しいメニューを追及されている姿に食べる人たちへの愛を感じました。
〜みんな大好き、谷田DE朝カフェ〜
「毎月来てます。月に1度の楽しみです。」と、地域の皆さんに参加された感想を聞いてみるとまぶしい笑顔で答えます。みんなで朝ごはんを食べ、食後のコーヒーを楽しみながら談笑をする、ゲームに参加する、笑顔になる。谷田地区では毎月第一土曜日笑顔の輪が広がっています。