〜私たちは「ほっとけない」〜
「「これはほっとけない」と思いました」。時は平成18年、介護保険において、「サービスを買う」という考えが当たり前になっていった世の中。活動を立ち上げた頃を思い出しながら話してくださるのは地域サポーターの岡野さん。地域で暮らす高齢者のちょっとした困りごとに手を差し伸べようと、知り合いに声をかけ、活動を開始します。介護保険ではカバーできない、お話し相手やお散歩の付添い、ゴミ出しなどの「ちょっとした」、しかし「ほっとけない」困りごとのサポートを開始しました。
平成26年には、地域サポーター活動を「地域サポートセンターむこう」として行うことに。向日市社協がケアマネジャーから地域サポーターの利用依頼を受け付け、希望内容に応じて連絡員の地域サポーターと相談しながら活動者の調整を行います。お話し相手のご利用者は約20名。2人1組の地域サポーターが利用者宅を訪問し、和やかな1時間を過ごします。また、1人の地域サポーターが玄関先で利用者の安否確認を行う見守り訪問もしています。その他ゴミ出しを行う地域サポーターも。様々な活動を展開されています。
〜利用者の笑顔、響く歌声〜
実際に活動しているところも見学させていただきました。この日、地域サポーターの上野さん、西川さんが訪問したのは、お話し相手で地域サポーターをご利用されている西池さん宅。西池さんとはもう約9年のお付き合いです。部屋に入ると「待ってたよ~」と笑顔のお迎えが!西池さんと一緒に地域サポーターの皆さんは、笑顔と手拍子を添えて、「みかん畑」や「帰り船」などの民謡を歌います。楽しそうに笑顔で過ごされる西池さんですが、地域サポーターが訪問し始めた頃はベッドに寝たまま、あまりお話になられなかったとのことです。話をしたり、歌を歌ったり、体操をしたりと関わっていくうちに今のように一緒に楽しく時間を過ごせるようになっていきました。
〜増える「ほっとけない」をどうする?〜
地域で新たな「ほっとけない」が出て来ていると、地域サポーターの皆さんは声をそろえておっしゃいます。介護保険の見直しやご近所同士の関係の希薄化、認知症高齢者の一人暮らしといった高齢者の在宅生活が以前に増して厳しくなっている現状を踏まえ、今行っている活動内容が現在の高齢者のニーズに見合ったものなのか心配する声が地域サポーターからでてきています。「今、ここで思い切って活動の幅を広げるべきなのかもしれない」、「ボランティアとしてはこれ以上の活動は厳しいかもしれない」。今の地域高齢者のニーズに即した活動について、模索し続けておられました。