活動のきっかけ・背景
木津川市南加茂台6丁目に平成27年4月に発足した「つかあな共助会」があります。こちらは7人のメンバーが主に庭の剪定や電線の引込用ポールの補修などの困りごとを支援する活動です。
この活動の背景としては、南加茂台は元々ベッドタウンとして30年以上前にできた住宅地で、景観の制限があるため、垣根や電線引込用ポールを持つ家が多い地区です。近隣に商業・工業施設がなかったことから働く場所が少なく子ども世代の多くが流出したことで、今では高齢化率が40%を超えました。そのため垣根の剪定などの手入れなどに困る住民が増えてきたことが活動のきっかけです。
つかあな共助会の親会として、6丁目住民の活発な交流を目的とした塚穴会があります。ストレッチや詩吟など5つの同好会があり日々活動されており、つかあな共助会も同好会のひとつです。大規模な花見や運動会も開催し、食事も自分たちで作って楽しんでいます。運動会では動きづらい身体と向き合い、ケガのリスクを減らしつつどう面白い競争ができるか、毎年アイデアが飛び交うなど面白い光景が生まれているそうです。塚穴会の活動によって、住民同士の関係性が築けていると言われていました。その関係性があるからこそ声をかけあい地域で支え合う、つかあな共助会が生まれたのではないでしょうか。
活動のあゆみについて
発足から3年を迎えた「つかあな共助会」は、6丁目の地域住民を中心に19件の剪定と13件のポール補修などを進めてきました。活動し始めた当初は材料費なども無償だったこともあり、遠慮されてしまうことも多かったようですが、今では協力金として工具の更新費用や実費材料費をいただくことで少しずつ依頼が増えてきたとのことです。
また7人のメンバーは塚穴会の役員や地域の他の役割も担っているため、住民のお宅だけでなく学校のグランドの草むしりや保育所のイベント時のアーチ製作・設置など、各メンバーのつながりから活動は様々なところに広がっていっています。
具体的な福祉活動、生活援助等のエピソード
塚穴会の名前の由来となった加茂塚穴古墳群のひとつが南加茂台6丁目の塚穴公園にあります。その周辺の林の整備を定期的にされています。自分たちの住まう場所、そして歴史的文化的な場所でもあることを意識されての活動です。
また、つかあな共助会としての”結束が生まれた”取組みは木津川市社協加茂支所の修繕です。古くなった保育所を活用していた支所ですが、外観は黒くなり雨漏りも多発。遊具やプールも古くなり、撤去しなければならない状態でした。その支所を「自分達の活動拠点だから」ということで自主的に修繕に乗り出します。メンバーを中心に外側は高圧洗浄機で洗ってペンキを塗り直し、遊具の撤去を行い、活用できる資材を使い倉庫を作成しました。少しずつ直していく活動は2か月かかり共に働くことで、つかあな共助会の結束が生まれたのだと笑顔でお話をされています。
「塚穴会ができる9年前はお互いに顔も知らんかった。信じられへんやろ」こんなに結束力のあるメンバー同士ですが、定年近くになるまで知り合いでもなかったそうです。塚穴会ができ皆で協力しながら継続してきた。そして助け合う必要性を感じて、つかあな共助会を立ち上げ、声をかけ合う今があります。 “こんな風に地域を作っていける”ひとつの力強い素敵な形だと感じました。
今後の活動目標
つかあな共助会の7人の活動がプロであるかのような様子なため、勧誘をしても「私にはちょっと難しい」と言われてしまいメンバーが増えないことが課題です。できることをしてもらうため心配はないので、メンバーを増やせるように声をかけていきたいとそうです。
メンバーの「顔の見える、何かあれば気付ける関係が大事」という言葉のとおり、何か活動していても住民が通ると「ご苦労さん」「ありがとう」の声の掛け合いが日常的にあります。そんな6丁目を見て、他の町内も少しずつ交流するようになりつつあります。「6丁目の雰囲気は10年かけてできたもの。とても良い地域という自負がある。それが南加茂台の他の町内、そして木津川市全体にもっともっと広がっていってほしい」と思いを持たれています。