木津川市からの委託で木津川市社協が実施している「配食サービス」。おおむね65歳以上の在宅高齢者に、週一回、お弁当を届けています。
1回300円で月に4回、夕食の配達サービスを実施
木津川市で行っている「配食サービス」は、調理が困難な在宅の高齢者に対して、月に4回の夕食をお弁当として届けています。対象は在宅の高齢者で、介護保険の認定を受けているなどの条件は特に必要なく、本人からの申し出があれば市が訪問調査を行い、実態に応じて配食サービスを受けられます。費用は1食あたり600円。そのうち300円が市からの補助金で賄われ、残りの300円を自己負担するという仕組みです。調理場所は、市の保健センター等3ヵ所を利用し、毎回10~14人程のボランティアが調理を行います。そこで作られたお弁当が各地域に運ばれて、社協支部の福祉委員、民生委員、ボランティアの手で配達されます。
作る人・運ぶ人・食べる人 それぞれに嬉しい効果が
配食サービスを利用する高齢者は、毎週届くお弁当はもちろんのこと、配達員との会話を楽しみにしています。一方の配達員は、受け取っていただいた時の「ありがとう」という笑顔を見ることが大きな喜びになっています。
兜台区には13年ほど前から調理ボランティアに参加している社協の支部役員がいます。阪神淡路大震災を機に兜台区に引っ越して来た方で、住み慣れた土地を離れ、特に高齢のお義母様は寂しい思いをされたとのことです。そういった「高齢の方々に少しでも温かな支えを」という気持ちからボランティア活動をはじめられましたが、活動を通して「仲間が増え、逆に支えられる」ことも多いそうです。活動の担い手、受け手の区別なく、それぞれの立場でこの配食サービスに希望を感じていることが分かります。
「配食」は見守り、ふれあい活動!
2014年8月には、自宅で熱中症のために倒れていた高齢者を救ったこともありました。玄関先に配食が置いたままになっており、不審に思った福祉委員が発見し救出されました。これは民間業者の配食サービスを受けていた方の例ですが、配食サービスは単にお弁当を作って配達するだけにとどまらず、見守りを兼ねたふれあい活動としての大きな役割を担っていると言えるでしょう。
今後の課題は高齢化。各支部福祉委員も高齢化が進み、将来的に活動の継続への不安が出ています。そこで兜台区では公団住宅や民間マンションの協力を得て、住民向けの掲示板で配達員を募集したところ、4人の応募者がありました。活動への協力者を広く求めることによって、課題の解決方法が見えてきています。