足腰が弱くなって「庭木の手入れができない」「高いところに手が届かず電球が替えられない」等の高齢者が抱えるちょっとした困りごとの解消を手伝うサービスがあります。
安心して暮らし続けるために
京都府で一番人口の少ない町・笠置町。美しい自然と史跡に恵まれた町ですが、若者の町外流出、少子・高齢化の加速により耕作放棄地や空き家の増加など暮らしを取り巻く状況は、年々厳しさを増しています。この町で高齢者が安心して住み続けられるよう取り組んでいることの一つが「軽度生活援助事業」です。町より事業受託した町社協が、協力会員と呼ばれる有償ボランティアとともに実施しています。
サービスの利用ができるのは、町在住の65歳以上のひとり暮らしまたは高齢者世帯。日常生活上の簡易な支援を行っています。具体的には、草刈や植木の剪定、植木鉢の土の入れ替え及び育成、屋根のゴミ落とし、食材・食事の買い物、外出時の援助、朗読・代筆など様々です。また、庭木の剪定作業などで生じた不用品の回収や処理も引き受けます。
活動参加のきっかけは“恩返し”の想い
協力会員の一人である辰己照夫さんは、4年前からこの活動に参加しています。きっかけは、まだ会社勤めをしていた頃、実のお母さんがご近所にお世話になっていたから。「その時の感謝の気持ちから、少しでも地域のみなさんに恩返しをしたい」と辰己さん。自分にできそうにもないことを無理に引き受けないそうですが、できることを少しずつ広げる努力もされているそうです。例えば剪定作業。「先日の依頼は月下美人の剪定。不要に見える葉でも来年の花のことまで考えながら切らないといけないらしく、素人なりに本などで草木のお世話の仕方を勉強しています」と楽しそう。この活動を通して様々な人と出会い、勉強になることもたくさんあったそうです。また、継続して支援している方の体調の変化にも気づくようになり、「活動の積み重ねが自然と『見守りの目』も身につけることにつながっている」とも。最後に「困った時はお互い様。少しでも長く皆様のお役に立つ活動をしていきたい」と力強く話されました。