メンバーは全員男性。主に高齢者や障がい者からの依頼に応え、植木の伐採や草刈り、電球の取替えや包丁研ぎなど公的な支援サービス等の対象にはならず、また専門の業者に依頼するほどでもない補修や作業を手伝うボランティアグループが城陽市にあります。
誠実な仕事ぶりにリピーターも多数
城陽市の住宅街、お揃いの帽子と作業服に身を包んだ男性たちが庭木の剪定を行っています。脚立に上って高い枝を刈る人、足元の植え込みを刈る人、落ちた枝葉を片付けていく人など、各自が手際よく作業を進めています。彼らはメンズボランティア「手助け隊」。作業を依頼した伊藤澄枝さんが、「寒い中ありがとう。お怪我のないように気を付けてくださいね」と声をかけています。
この家で一人暮らしをしているという伊藤さん。「男手がないので、とても助かっています。手助け隊の皆さんは仕事ぶりが丁寧で、これまでに何度もお願いしているんですよ。年金暮らしの身には、無料で頼める点もありがたくて。」と言います。近所の植木屋さんが高齢で引退し、頼める人がいなくなり困っていたころ、手助け隊を利用する知人から紹介を受けたそうです。
無償の便利屋ではない。あくまで「人助け」のボランティア活動
道具代や交通費などの手助け隊の活動費は、メンバーの会費(年額1000円)、社協等からの活動助成金、依頼者からの寄付金で賄われています。「利用料は無料です。でも、なかには『それでは申し訳ない』とおっしゃる方も。「そんな時には寄付をいただいています」と手助け隊事務局長の上山正二さん。
活動の依頼は、市社協が窓口になっています。月2回(第1・第3金曜日)の例会で作業にあたる担当者を割り振ります。担当する人数は依頼内容によってさまざまで、2時間以内に作業を完了できることを目安に考えるそうです。
大切にしているのは、新規の依頼があった時の主旨説明。依頼者に「専門的な技術を持たない者が行うこと」、「同居する家族など、他に手伝える人がいる場合には依頼を受けられない」などを説明し、「無料の便利屋」ではない旨を伝え、ボランティア活動であることを理解してもらうようにしているそうです。
男性同士、気さくに相談し合える雰囲気
上山さんは、手助け隊が結成された2001年6月から活動しているメンバーの一人。「メンズボランティア」として立ち上げた理由は、「当時のボランティア活動は女性主体のものが多く、そこに男性が加わると女性のパワーに圧倒されそうで…(笑)」とのこと。そこで、活動内容を力仕事や日曜大工仕事などに絞り、これまでにないスタイルを目指したと振り返ります。チームワークの秘けつは、月2回の例会。世間話も大切にし、何でも言い合える雰囲気を大切にしています。