不動産担保型生活資金とは
現在、暮らしている自己所有の不動産(土地・家屋)に、今後も将来にわたって住み続けることを希望する高齢者世帯に対し、その不動産を担保提供していただき生活資金を貸し付ける制度です。
貸付対象世帯・条件(主な例)
貸付対象となる主な条件は、次のいずれにも該当する「高齢者世帯」です。
- 借入申込世帯が、自己所有の不動産(土地・家屋とも)に居住し、今後も将来にわたって住み続けることを希望する世帯であること
- 所有されている不動産が、
- 借入申込者の「単独所有」または、「配偶者とのみ共有」であること。
- 賃借権などの「利用権」が設定されていないこと。
- 抵当権などの「担保権」が設定されていないこと。
- 申込者以外の方の同居が認められるのは、
- 申込者の配偶者
- 申込者若しくは配偶者の直系尊属のみとなります。
- 申込世帯の構成員が原則として、65歳以上であること。
- 申込世帯が、市町村民税非課税程度の低所得世帯であること。
- 現住所に3年以上住んでいること。
- 原則として、担保不動産(土地)が1,500万円以上の価値を有すること。
- 借受人の心身の状況を問わず、平均余命の全ての期間中、本資金と年金収入により最低生活が維持(生活保護基準以上の収入確保)できること。
- 原則として、生活保護受給世帯でないこと。
- 推定相続人がいる場合は、原則として全員の同意があること。
貸付内容
貸付限度額 | 担保となる『土地』評価の概ね70%相当額とします。 |
貸付月額 | 申込世帯の生活保護基準の1.8倍以内を目安とします。(最上限は、月額30万円以内となります) |
貸付期間 | 貸付元利金が、貸付限度額に達するまでの期間。(貸付金は、この間、3ヶ月毎に送金されます) |
貸付金利子 | 年3%または、年度ごとに4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い利率を基準とします。 |
申込方法
相談窓口
お住まいの市区町村社会福祉協議会が窓口となります。
必要書類
世帯状況や不動産の権利関係等がわかる書類を用意いただく必要があります。
自己負担が必要となる経費
各種証明書の発行手数料、不動産鑑定料、登記手続にかかる登録免許税その他登記手続代行料(司法書士への委託料)など、一切の申込にかかる経費は、各自ご負担いただくことになります。貸付が決定した後も、決定後3年毎に行う担保不動産の再評価を行う際の不動産鑑定料のほか、返済の際の不動産の処分に関わる経費についてもご負担いただくことになりますので予めご承知おきください。
担保について
契約締結の際には、次の種類の担保権を設定し、連帯保証を引受ける方をご用意いただくことになります。
不動産の担保
所有されている不動産(土地・家屋ともに)に対し、2種類の物的担保権の設定をいただきます。
- 根抵当権の設定(土地評価額80%を限度として極度額を設定・登記)
- 代物弁済予約に基づく所有権移転請求権保全(仮登記)
火災保険の加入と火災保険金に対する根質権の設定
連帯保証人の引受
推定相続人のなかから、最低1名の連帯保証人が必要となります。 ただし、推定相続人がいない場合は、必要ありません。
また、担保不動産は、次の条件を全て充たしていなければなりません。
- 原則として、最低評価額が1,500万円以上であること。
- 平均余命から考えられる予想貸付期間中、本資金による貸付金と年金収入により最低生活の維持が可能であること(生活保護基準以上の収入が確保されること)
貸付の停止・終了と配偶者への承継
貸付の停止
貸付元利金が貸付限度額に達したとき、貸付を停止します。
その場合、契約遵守事項の違反や特別の事情が無い限り、借受人がお亡くなりになるまでの間、担保不動産を使用して生活をすることができます。
貸付の終了
通常は、借受人が死亡したときに、契約終了となります。
配偶者への承継
借受人が死亡した場合でも、一定の条件の下、借受人の配偶者は貸付契約を承継ができる場合があります。
貸付金の返済方法
借受人がお亡くなりになったときに契約終了となり、相続人・連帯保証人が貸付金(貸付元利金)を一括して返済いただくことになります。
お借入にあたって、特に注意いただきたいこと
(1)申請は十分にご検討ください。
本資金制度は、あなたの大切な資産である不動産を担保に貸付る制度です。貸付の決定にあたっては、ご親族の方(推定相続人など)とも十分にご相談していただき、事前の同意を得ていただくことが重要となりますので、予めご承知おきください。
(2)諸費用は、申請者が自己負担していただくことになります。
申請手続にあたっては、各種証明書類、不動産鑑定士による鑑定料、登記手続に必要な諸経費等は、全て申請者がこれを負担することとなります。
貸付ができない場合や取消となった場合でも、経費負担をいただくこととなります。
(3)貸付期間中は、お約束事を守っていただきます。
不動産を自由に処分し、増改築することや同居者を転出入させることなどができなくなります。不動産の利用状況を変更させたい場合は、債権者である京都府社会福祉協議会の承認が必要となります。また、貸付後3年毎に、京都府社会福祉協議会が選任する不動産鑑定士が担保不動産の「再評価」を行いますが、この調査に協力をしていただきます。この場合の不動産評価にかかる費用もご負担いただきます。氏名の変更や成年後見制度の利用、福祉サービスの利用をはじめ、心身の状況の変化などが生じたときにも、速やかに届出をいただくこととなります。
(4)配偶者やご親族の方が、住み続けられなくなる場合があります。
貸付金の返済は、連帯保証人や相続をされる方により担保不動産を売却・処分いただくか、京都府社会福祉協議会が担保権を実行させていただき、貸付金の元金及び利子を一括にて返済をいただくことになります。(分割返済などは認められません。)配偶者やご親族の方が住み続けられなくなる場合がありますのでご承知おきください。
(5)借入計画について十分な検討をいただきます。
元金利子が限度額に達した場合は、貸付が停止・終了することになります。毎月の貸付額について人生設計と照らし合せて、慎重に検討いただくことになります。借入計画に無理があると京都府社会福祉協議会が判断した場合は、貸付決定ができない場合があります。
Q&A
Q. 子どもが同居している場合、本制度を利用できますか?
A. できません。
→「高齢者世帯」の自立を支援するために、申込者以外の同居が認められるのは、①申込者の配偶者 ②申込者の直系尊属(申込者及び配偶者の親)に限ります。
Q. 現在住んでいない家や土地を担保にすることはできますか?
A. できません。
→『居住用不動産』に限ります。別荘や遊閑地、田畑、山林、他人の利用に供している土地・家屋などは貸付対象の不動産ではありません。
Q. 借地に住んでいますが、借地上の建物を担保にすることはできますか。
A. 対象になりません。
→マンションや「二世帯住宅」の場合、不動産の所有形態が共有であり、同居を前提としている状態となりますので貸付対象となりません。
Q. 申込者は、年齢が65歳を超えていますが、配偶者が65歳を超えない場合は申し込めるのですか?
A. 原則としては対象となりません。
→ただし、配偶者が60歳以上の場合に限り、特段の貸付の必要性があるかどうかについて審査を行い、貸付決定できる場合があります。
Q. 自宅を修繕したり、思わぬ医療費の支出が必要になった場合、その費用を借りることができますか?
A. 毎月の貸付とは別に、臨時費用として上乗せが可能です。
→ただし、貸付の必要性のほか、貸付限度額などを考慮に入れた審査を行います。この結果によっては、貸付決定できない場合もあります。
お問い合わせ
京都府社会福祉協議会 福祉部民生課
TEL:075-252-6293/075-252-6273 FAX:075-252-6311