令和6年度 事業計画
2025年以降、少子化を背景として生産年齢人口は減少し、医療・介護の専門職の担い手の確保が困難となる一方で、85歳以上の人口は2040年頃まで一貫して増加し、介護予防・日常生活支援総合事業や介護サービスによる支援を必要とする高齢者は増加していく見込みとなっています。
令和6年度は介護報酬改定が行われ4つの基本的な視点(①地域包括ケアシステムの深化・推進 ②自立支援・重度化防止に向けた対応 ③良質なサービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり ④制度の安定性・持続可能性の確保)に沿って介護報酬改訂等が行われました。とりわけ地域包括支援センターに関しては膨大となる業務負担について、特にその半分以上を占める介護予防支援業務については、介護予防支援の対象を拡大し、市町村が居宅介護支援事業所を指定することができるようになりました。更に人材確保難となっている3 職種についても市町村が地域の実情に応じて柔軟に運用できるようにすることが出来るようになりました。
こうした状況を踏まえて、本協議会として先ずはこうした改正が真に私たちの業務負担軽減、業務改善となっているのか、その効果も含めて会員センターの実態を把握、共有し、京都府や市町村、ひいては国に対して声をあげていかねばなりません。そのためにも先ずは京都府内の地域包括・在宅介護支援センターが直営・委託、受託法人の垣根を超えて一体となって取り組んでいくことの必要性を認識し、これまでと同様に会員センターの業務の一助となる調査研究事業、研修事業の実施等を行い、センター機能の充実・強化を目指していきます。
更に、本会が所属する全国地域包括・在宅介護支援センター協議会では令和4 年度に協議会ビジョン「地域をむすぶ・つなぐ・つつむための未来像 ビジョン 」が示され、その実現に向けた3つの行動指針が示されています。本年もこのビジョンと行動指針とも連動する形で事業計画にそった取り組みを進めていきます。
【参考】「地域をむすぶ・つなぐ・つつむための未来像(ビジョン)」行動指針
1.会員センターのネットワークを広げ、センターの実践力を高めます。
・会員センターが市町村を超えた連携を図ることができるよう全国4⑦都道府県においてセンターが集う都道府県組織をつくります。
・会員センターが業務の改善や効率化等の取り組みを実践できるよう、都道府県組織・ブロック組織の活動を活性化しセンターがそれぞれの地域で展開している実践事例の共有化を積極的に行います。
・都道府県組織を中心に未加入センターの加入を進め、より多くのセンターが集う力のある協議会を築くことで、センターへの支援力を高めます。
2.センター運営の問題点を行政に届け、改善に向けて働きかけます。
・センター運営に係る問題点を調査等により抽出し、会員センターの声をエビデンスとして国に届け、センターが担う業務の改善、職場の環境改善に向けた提言・要望活動を行います。
・都道府県、市区町村に対して、都道府県組織・会員センターがそれぞれ提言・要望活動に取り組むことができるよう支援します。
・全国社会福祉協議会の種別協議会の一員として、関係機関、団体と連携を図り、地域包括ケアシステムの充実、地域共生社会の実現に向けて制度、予算等の提言・要望活動に取り組みます。
3.センター職員の資質を向上し、職員の力量を高めます。
・会員センターが職員の専門性を活かして業務に取り組むことができるよう、都道府県・ブロック組織・全国組織の各段階において、センター職員に必要な知識・技術が取得できる研修機会を提供します。
・会員センター職員が地域において複合的な課題の相談対応に当たれるよう、最新の制度動向や多様な実践事例などの有益な情報提供を行います。
取組方針
- 地域課題や住民ニーズ、そして社会情勢や国の施策動向を捉えながら、地域包括ケアの推進に資する重要な団体としての存在感をますます強めていくことを目指します。
- 会員センター間の情報交換・情報共有・「横のつながっり」を強めるとともに、会員センターの課題解決を支える事業(研修や調査研究事業など)を展開していきます。
- 未加入の地域包括支援センター及び在宅介護支援センターに対しては、積極的な働きかけを行い、全市町村1センター以上の会員を目指すとともに、府内における会員センター間の連携の強化を図ります。
以上、地域住民、福祉・医療等の関係機関、市町村や府に必要とされる組織であり続けられるよう、本年度の事業内容は次のとおりとします。
本年度の事業内容は次のとおりとします。
1.本会の機能を充実させるため、下記会議等を実施する。
①総会 年2 回(6 月・3 月)
②役員会 年4 回(5 月・8 月・11 月・1 月)
③各グループ長会議 年2 回(8 月・1 月)※役員会と合同
④研修(調査研究)担当役員会 必要に応じて実施
2.会員センターのレベルアップを図っていくため、下記研修等を実施する。
特に、グループ活動の充実を図る。
①各グループにおける研修会
②全体研修会 年3 回(6 月・111月・3 月)
(本会第2 回研修会は、令和6年11月19日(火)に大阪府大阪市で開催される令和6年度近畿ブロック地域包括・在宅協議会大阪セミナーと兼ねるものとする)
③オンラインを活用した職種別情報交換会
3.実践の蓄積及び提言機能を強化するため、下記を実施する。
①アンケート調査の実施
会員センター向け調査と調査結果の活用方法の検討
②京都府との意見交換会の実施(8 月)
③会員センターのない市町村の地域包括支援センター担当者との意見交換会の実施
4.情報発信機能を強化するため、下記を実施する。
①ホームページの運用
②FAX通信及びメーリングリストを活用した会員センター向けの情報提供
5.安定した組織基盤の強化のため、下記を実施する。
①会員センターの拡大
(未加入センターへのよびかけの強化・全市町村11センター以上の会員を目指す)
5.その他
①令和7年度近畿ブロック地域包括・在宅介護支援センター協議会京都セミナーの開催に向けた京都市地域包括・在
宅介護支援センター連絡協議会との連携
②関係団体主催の研修会等への参加促進
③関係団体への委員としての参画
④全国及び近畿ブロック府県・指定都市地域包括・在宅介護支援センター協議会との連携・協力
⑤行政及び大学等との連携・協力